あたしンち

歯医者の待ち時間に漫画を読んだ。あたしンち
あたしンちは子どものころ家に15巻くらいあったからよく読んでいたし、何ならあたしンちの他に作者けらえいこ氏のセキララ結婚生活もあったからそれも読んでいたが、いつの間にか処分されていたので久しぶりに読んだ。

名作というのはいつ見ても面白いもので夢中になって読み進めていたが、子どものころには全く感じなかった違和感に気づいた。

①お父さんのわがままさ
 子どものころはお父さんのキャラが大好きだった。無口だけど面白いところとか、変なこだわりを持ってるところとか。でも大人になった今読み直すと、酔っぱらって小説を全巻買って読まずに放置するとか耳かきがなくて家の中を引っ掻き回した挙句妻に怒鳴るだとか、めちゃくちゃ鬱陶しい。自分のこだわりを間接的に家族に押し付ける人だった。あたしンちが2017年新連載の漫画だったら、お父さんが横暴を働いているページがTwitterで拡散されてツイフェミと声の大きい主婦層が叩いて炎上していただろう。

②みかんとユズヒコの年齢と生活具合
 初めてあたしンちを読んだとき、私にとっては中学も高校もまだずっと先のことだった。二人ともずいぶん年上に見えたし、二人の年齢の具体的なイメージが湧かなかった。それから時が経ち現在の私は中学生のユズヒコよりも高校生のみかんよりも年上になるが、それでも二人が私より年下という気がしない。特にみかん。
 何というか、暮らしぶりがみかん=大学生、ユズヒコ=高校生 な気がしてならないのだ。ユズヒコが深夜に勉強をして、こっそり夜食を作って食べる話があるのだが、普通の中学生はテスト前でもないのに夜食が必要になる時間まで勉強しないと思う。そういうのは大学受験を控えた高校生がするイメージだ。また、みかんはテディベア同好会に所属している。同好会がある高校は珍しいのではないか。私服で学校に通っているところも高校生ではなく大学生っぽい。

③お母さん可愛い・・・
 昔読んだときは口うるさい母だ、と思っていたお母さんがかなり可愛いかった。可愛いというか、世話焼きでお茶目というべきか。夫のために八朔の皮をすべて剥いてあげる優しさ。それを礼一つなく食われてもムッとすらしないおおらかさ。昔ながらの良妻。ユズヒコに対しても心配からつい世話を焼きすぎてしまう。みかんに対しては少し厳しいとこともあるが、基本的には楽しく親切な母だ。というかこの年になって読み返すとみかんのクルパーさが結構目立つので母の言動の奇異さが薄まる。みかんしっかりしろ。

 

 

色々書いたけれど、読み返して最も印象に残ったのは実はストーリーではなく絵の方だ。お風呂上り、お母さんの耳毛の描写。

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正確にはもみあげあたりの髪の毛なのだが。
あたしンちの舞台は主に家の中なので、風呂周辺の様子が描かれることは少なくない。そんな中、この耳毛があるだけで、風呂上りのお母さんの髪がしっとり濡れていることが一目瞭然になるのだ。まれに額周辺の毛も描かれることがあるが、正直耳毛だけで十分伝わる。画像は私が書いた白黒絵なので血管が浮き出たお母さんのように見えなくもないが、けらえいこ氏のカラー絵だと本当によくわかる。この二本の毛だけでこんなにも風呂上り感が出るのかと非常に驚いた。けらえいこ氏の画力と生活の端々に対する観察眼は凄まじい。