カヌレの不明瞭さ

カヌレってよくわからない食べ物だな。
ここ数年で急に名前を聞くようになったのだけれど、未だにどういう感情で食べるべきかはっきりしない。

まず味がわからない。マドレーヌみたいにめっちゃ甘いわけでもないが、パン的なものとして食べることはできないだけのお菓子感は確かにある。だからおやつなのか軽食なのか、何時に食べる物なのか明確にできない。結果17時とかに食べちゃう。

あと食感。ちょっとモチモチしている。なんでモチモチしてるんだろう。しかしそのモチモチ感を「これがカヌレの特徴です!」とは決して言えない。それくらい微かにしかモチモチしてない。

形状と大きさも謎。カヌレと言ったらあの上部真ん中がへこんだ、波模様の小さなカップ型で作られている。というかあの形だからカヌレというらしい。貝型のマドレーヌと比べるとカヌレの形は洒落っ気が足りないがする。しかもあの型妙に小さいので、ひとつ食べただけでは満足できない。一度にふたつ以上食べてもいいのだろうか。友達を家に呼んでお茶を振舞うとき、茶菓子がカヌレだった場合(人様にカヌレを振舞うなど、そんな日は訪れないだろうが)、いくつ皿に出すのが正解なのか。

とにかくカヌレ・ポテンシャルが微妙なので洋菓子界でのカヌレの立ち位置がわからない。あれは高級なのか、庶民の嗜好品なのか。店でカヌレを複数買いするときはスコップのようなもので掬われて紙袋にガッサー入れられる。その様は屋台のカステラのようでなんとなく寂しい。ほかのケーキは紙箱に崩れないよう丁寧に入れられるのに。マドレーヌだって個包装されていることが多いのに。

私にとってカヌレは謎の集合体だ。謎に手は出しづらい。これまでもこれからも縁遠い存在だ。あとマドレーヌと比較し続けているが別にマドレーヌが好きなわけではない。私はただ焼き菓子が嫌いなのかもしれない。